きよしのぶろぐ

個人的なTips集とブログ。広報ネタ多め。ゆるふわに書きます。発言は個人の見解です。

中学3年生から社長まで。広報PR初心者に「パブリック・リレーションズ」を伝えた話 #PRLT

この記事は【広報LT大会(Lightning Text) #PRLTAdvent Calendar 2019】の第16日目(12月16日分)にエントリーしています!

adventar.org

実はみんな「PRパーソン」だから

11月と12月に、立て続けに広報PRについて講義する機会をいただきました。

11月は母校(中高一貫の女子校)での中学3年生による職業インタビューとして。

12月は 大阪スタートアップの経営者と広報・ブランディング担当者向けの入門キャンプとして。(大阪にあるアクセラレーションからの依頼で、#PRLT 運営メンバーでみっちり6時間、講師とメンターを務めました)

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「人に説明するときは、中学生にでもわかるように」とはよく言うものの、まさか本当に中学生に理解してもらう必要がある日が来るとは…。

学生かどうかはさておき、だれしもが未知の領域に触れるとき、いかに自分にとって身近なものなのかを実感してもらうことが入門欲求を刺激するいちばんの近道。

そこで、パブリック・リレーションズがいかに切っても切り離せないことか、つまりはみんな実はPRパーソンなんだよということが伝わればと思い、こんな例を交えて話すことに。

あなたにとってのステークホルダーは?

中学3年生にはそのまま、経営者たちには中学生時代を思い出してもらいながら、「あなた」の関係者=ステークホルダーを4人ピックアップしました。

お母さん、お父さん、隣の席のA子ちゃん、英語担当のひろえ先生です。

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お母さんとは喧嘩中、お父さんは普段は某アニメ・波〇さんのように厳しいけど今日は酔っててごきげん、A子ちゃんは隣の席だから何でも目に入ってしまう、ひろえ先生は副担任なので成績や日頃の態度に敏感です。

だれとどうなりたい?

大ピンチ?!「あなた」はテストで0点を取ってしまいました。

ステークホルダーの状況をふまえると、いまの「あなた」は…

  • 対お母さん:喧嘩は終わらせて、いつもの親子関係に戻りたい
  • 対お父さん:きょうくらいは怒られたくない
  • 対A子:バカだと思われたくない、知らないところで言いふらされるなんてことは絶対いやだ
  • 対ひろえ先生:「ダメな生徒」だと思われたくない、見捨てないでほしい

ですよね?

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嘘をつくことなく(どうせバレる)、その状態をつくるために、「あなた」はどうしますか?

じゃあ、いつ・どうする?

わたしだったら、こうします。

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人によってはお母さんにはなる早で言った方がいい、むしろお父さんは酔った勢いでいつも以上に怒るのでは?と懸念するかもしれません。

実際に「どうするか?」と尋ねると、人によって、ステークホルダーによって、回答はさまざまでした。

そうです、そういうものなのです。

【テストで0点を取った】というひとつの事実でも、「だれ」に伝えるか、相手がどんな状況か、どんな状態をつくると「いい感じ」なのかを見つめてみると、伝えるタイミングや伝え方は変わって当然。伝える以外のことをせねばならない人だっています

おまけに、わたしとあなたは違うし、わたしのお母さんとあなたのお母さんも別人だから、人によってやり方が変わるのも当然ですね。

これを「会社」を主人公にして考えることが私たちの仕事なんだよ、と伝えてみました。

広く報いるから「広報」なんだと思ったら定義も腹落ちできた

PRプランナーの公式テキストとして知られる、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会発行『広報・PR概論』によると、パブリック・リレーションズの定義は以下のとおり。

組織がステークホルダーとの間に“継続的な信頼関係”を築いていくための考え方と行動の在り方

・・・初めて聞いたとき、わたしは理解しきれませんでした。なんとなくわかるけど、わからない。みたいな。

ただ、日々の活動と重ねていくうちに、だんだん解像度が高まりました。

PRLT を長年一緒に運営するおそらさんとも数年前から話していたのですが、そもそも広報って「広く報せる」ためだけの存在じゃない。はず。

多様なステークホルダーを相手にするから「広く」。

そして、それぞれにはそれぞれの向き合い方=社会的責任の果たし方があります。

お客様であれば、安心・安全なサービスを提供する。

株主であれば、企業価値を高めて利益を還元する。

社員であれば、能力を発揮できる環境をつくる。

こうした、"あなたにはこう報います"という姿勢や手段を発信する=説明責任を果たすことで企業の存在価値を正しく見出すのが広報。

要は「広く報いる」ために存在する、のだと思います。

「広く報いる」はひとりじゃできない

みずほ社の例をよく使用するのですが、ステークホルダー(パブリック)とのコミュニケーション(リレーションズ)は特定のひとに発信するだけではありません。とっても果てしないのです。「広報活動」があくまでコミュニケーション手段のひとつと記されているように。

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自分や相手の状況を理解するにも、コミュニケーション手段を実行するにも、いち広報担当者だけでは到底やりぬけない。

だからパブリック・リレーションズとは考え方と行動の「在り方」なのであって、会社が一丸となって取り組む必要があるのです。

いきなり広報PRという言葉を通すから「知らない」「わからない」となっちゃう。

であれば、広報PRのMTGは「だれとどうしたいんだっけ、そのために何するかを考える会」とでも思って臨んでみるといいかもしれません。

だれよりも伝えたかったのは広報1年目のわたし

新卒から「広報」になったわたしが「パブリック・リレーションズ」という言葉と出会ったのは、発信するほど会社の実態との乖離を実感するようになった2年目の終わりでした。

その後PRプランナー認定試験を受験したり、日々の仕事と向き合い直したりして、やっと、やっと、広報PR担当者としての真のスタートラインに立てたなと思うばかり。

猪突猛進に発信活動に勤しんだからこそ気づけたことではあるものの、「広報活動」で変に経験を積む前に知っておくだけでも向き合い方は違ったはず。

少なくともメディアリレーション!プレスリリース!みたいな1年目を送り、2年目からモヤモヤすることはなかったかな、と。

ということで、わたしなりにパブリック・リレーションズを全く知らない人に分かりやすく伝えてみた奮闘記をお届けしました。

はじめて広報PRに触れる方はもちろん、よくある成果うんぬん話などで悩む広報さんにとってヒントになれば幸いです:)

※あくまでわたしなりの表現なので、ご了承ください

明日以降のアドベントカレンダーも、そして本日開催の #PRLT もよろしくお願いします!

prlt.connpass.com