きよしのぶろぐ

個人的なTips集とブログ。広報ネタ多め。ゆるふわに書きます。発言は個人の見解です。

若手広報の抱える悩みをできる限り明らかにしてみた件【広報LT大会(Lightning Text) #PRLT Advent Calendar 2018】

「広報LT大会(Lightning Text) #PRLT Advent Calendar 2018」に参加しています。4日目! adventar.org

ここ半年体調が優れず、10月頭に2年半務めた会社を退職(休職期間満了で自然退職)し、会社員をまた卒業しました。

私の社会人生活は一貫して「広報」という職種で成り立ってきました。最初は50人程度のベンチャー企業にて、その後はフリーランスとして、そして前職にて。
場所は変わってもずっと「広報担当」です。

5年間。

常に社内に”先輩広報”がいなかった私は、社外の広報さんをひたすら頼ったり様々な会社の事例を見たりして、少しずつ仕事ができるようになっていきました。

今回はそんな泥臭い日々と、広報PRについて考えるコミュニティ「広報LT大会#PRLT」(本アドベントカレンダーの母体です)で出会った114つのナレッジ・経験を振り返って見えてきた、若手広報の悩みをまとめます。

広報は経験年数×企業(団体)のフェーズで向き合うものが異なる説

上半期に数回、経験年数やバックグラウンドの異なった広報PR関係者6名ほどが#PRLT分科会的に集まった、「広報業務棚卸し&スキルセット探究会」が実施されました。

自分たちが何をやっている(やってきた)のか、ぶっちゃけどういう状態が理想か、何に困っているかをとことん洗い出してみる。最終的に広報として生き抜くためにはいつ何をやるといいのか整理してみたのです。

↓こんな感じ(付箋は毎回100枚ほど消費しました) f:id:kiyoshi502:20181204223411j:plain f:id:kiyoshi502:20181204223302j:plain

そこで導きだされたのは、広報って企業(団体)や事業のフェーズもそうだけど、本人の広報経験年数によっても向き合うべきところって変わってくるよね、ということでした。

この経験年数と組織における重要度の関連性の仮説を「広報レバレッジ理論(仮)」と呼んでいます。

前述の観点から広報業務を整理していくと、

  • 個人の技術(いわゆる"お作法")
  • インターナル広報
  • 組織全体への貢献

の3つに大きく分類できました。

これらの、経験年数別での重要度をグラフ化すると下記の通りになるのではないか、となりました。(年数はあくまで目安です)

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企業(団体)の広報になったらまず、広報/PRパーソンとしてのスキル(プレスリリースの書き方、取材対応の仕方、イベントの回し方etc)を身に着けねば「広報PR担当者」として話になりません。この頃はおそらく既にある情報や発信したいメッセージをどう届けるかで手一杯です。

このフェーズを過ぎるとネタを発掘する、情報を編集してメッセージをつくる必要が出てくるため、社内のあらゆる人をどう巻き込むか、メディア掲載、イベント集客といった目先の手法以外でどう会社に貢献するかが勝負になってきます。

そして、ゆくゆくはどれだけ経営目線=社長と同じ目線に立って活動できるかモヤモヤしだす。こうして、広報がぶち当たる壁はどんどん抽象化していくようです。

広報ができること、やるべきことはいっぱいある

さきほどのグラフは、さらに5つのフェーズに分解できます。

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  • A 「広報」というキャラづくり/市民権の獲得
  • B 定性、定量的な組織間コミュニケーションへの貢献
  • C 他部署への貢献
  • D 広報業務の仕組み化
  • X 経営とのリンク

それぞれのフェーズで広報として行うことは、例えばこんな感じ。

キャラづくり/市民権

課題設定、目的の共有

  • MTGへの参加
  • パブリシティやアワード受賞等の全社共有

定性、定量的な組織間コミュニケーションへの貢献

組織の潤滑油的存在になる、世の中のトレンドや業界情報の組織へのインプット

  • ランチや飲み会のセッティング
  • 全社員宛ての連絡に反応
  • 重要ニュースのシェア
  • 社内報作成

他部署貢献

営業や取引先に喜んでもらう

  • パブリシティ情報をまとめて営業資料に盛り込む
  • 広報を介して企業と自社の営業担当を繋ぐ
  • ユーザー、クライアント取材
  • クライアント向けニュースレターの作成

仕組み化

社員への「広報マインド」の伝達と普及

  • 各部署や経営幹部との広報MTGの定例化
  • 業務フローの整理、マニュアル化
  • 社内向け広報勉強会の開催

経営とのリンク

経営課題への関与

  • 役員直下の配属
  • 広報視点で事業に意見
  • 記者発表会での経営者プレゼン資料の作成

私自身も所詮5年目なので、D、Xについてはまだまだ修行の身です。

やるべきことが果てしないからこそ、今やるべきことの解像度を上げよう

繰り返しになりますしあくまで仮設ですが、広報は経験年数(日数)×企業や事業のフェーズでやることも、悩むことも異なります。

やることも巻き込む人も果てしない。何から手を付けていいか分からない。先輩広報がいない孤独な新米広報は本当につらいですよね。

そんな状況に陥ったら、この3つを徹底すると良いのではないでしょうか。

  1. 広報としてのWCM(Will/Can/Must)を明確化する
  2. 組織における広報のミッションとゴールを経営層と定期的にすり合わせ、常にその解像度を上げる
  3. ミッションを全力でやりぬく

つまりは、何のために何をしているんだっけ、ということを常に見失わず(それも「事業にインパクトを与える」等のやんわりしたものではなく具体的なもの)、そこに向かって全力投球していればオッケーだと"信じる"

ここまでのおさらいと、上記のヒントになりそうなことは↓にまとめています。

speakerdeck.com

ということで、他社や他人と比較しすぎてしんどくなる前に、己、そして自社(組織)ととことん向き合って、楽しい広報ライフを送りましょう!

アドベントカレンダーはまだまだ続きます。
それぞれのモヤモヤ昇華のヒントや新たな発見がひとつでも多く見つかると思うので、引き続き更新をお楽しみに!!