きよしのぶろぐ

個人的なTips集とブログ。広報ネタ多め。ゆるふわに書きます。発言は個人の見解です。

新聞記事の署名あり・なしの違いを記者に聞いたはなし(過去ブログ転載)

先日とある広報さんに「こないだ調べ物をしていたら吉田さんの過去のブログに行き着いて助かった」と言われ、この記事を思い出しました。
2年前に投稿したものですがそのまま転載します。
(その過去ブログ自体は恥ずかしくなって消したw)

なぜ、署名記事と非署名記事があるのか

広報の日課のひとつが新聞チェック。

会社にもよりますが、日経新聞は最低でも皆さん抑えていらっしゃると思います。

学生時代なんて新聞は家でまったりしている時しか読まなかったので、
私は広報になって一週間、新聞研究をしました。

コンビニで売っている主要の新聞(朝刊)を一週間毎日買い、全部の面を読み込むというものです。

この6新聞をチェックしたと思います。

この面は経済面で、こんなニュースが多くて…とメモしている中で気になりだしたのが「署名」です。

ある記事には文末に記者の名前があるのに、またある記事にはない。
【署名記事】と【非署名記事】この差はなんなんだ、と。

で、最近それが解決したのです。(最近なのかよ)

署名記事は「その人が書く」ことに意味がある

署名記事をよく出されている記者さんとお会いした時に、思い切って聞いてみました。
すると、「良い質問ですね!」とこんなことを教えて下さいました。

「署名記事の多くはインタビューや取材を経た記者の見解が含まれています。つまり文責として表記する他、その人にしか書けない、その人が書いた事に意味があるということを示しています

一方の非署名記事はストレートニュースが多いですよね。じっくり温めて書き上げたもの、というより事実を正確に早くお伝えするための記事なので誰が書いたなんて重要じゃない。だから署名の必要がないんです」

ふむふむ。たしかに。
思えば3社ほどのサービスを揃えて1つの社会現象として紹介する記事や、社長インタビューなどは記者さんのお名前がよく入っていました。

逆に、資金調達情報や新サービス紹介記事は基本署名はありません。

き「だから日経新聞は署名記事が少ないんですね!」

記者さん「そうですそうです。比べると朝日新聞は多いと思います。各紙の論調や特徴が分かれているのもこの署名記事の多さが少なからず影響しています」

き「そういえば、朝日新聞の記者さんは実名でTwitterなどもやってますよね」

記者さん「それでいうと日経新聞の記者は職業を公開してSNSを利用するのは禁止です。各社が記者そのものをどう見せたいかがこういう形で露わになるんです」

署名記事あり・なしは掘り下げていくと新聞の論調だけでなく、各社の記者という存在に対するスタンスにまで行き着きました。
記者の見せ方…これも広報戦略なんだろうなあと思うと、なんだかしみじみとしちゃいました。

おまけ

「新聞記事 署名 あり なし」でググって一番上に出てくるのが過去ブログです(リンク先は消したので404)