プレスリリースの暗黙の掟を破ってみたけど 全然平気だった話し
ことしの1月に広報LT大会でしゃべったLTのスライドです。 prlt.connpass.com
いろんな方がシェアして、広報ネタなのにdots.(今はTECH PLAY)の1月の人気スライド1位になったりと反響もあったので既に見た方も多いかと思います。
基本的にはメディアの方から「たしかに要らないと思ってた」とご意見もらったり、さっそく自社で取り入れられた広報さんもいたりしますが、あくまで私の所属する会社のいまのフェーズだからこそ出来ることです。
(自社に適す発信方法かどうかを考えるのは広報として当たり前だと思ったので口頭でしか言わなかったのですが、それが故にスライドだけ見た一部の方からこれどうなの?的な意見をいただきました)
上場している、社名とサービス名が一緒だから紛らわしい、社長が訴求力になっている・・・様々な事情があると思うので「ふ~ん」程度に見てほしいです。。
※そもそも弊社ではプレスリリースは配信ツールやコーポレートサイト、もしくはメールを通じてダイレクトに発信します。「株式会社」や所在地etcはなくてもすでに会社情報を登録してある場所から発信するのがデフォなので「会社なのかNPOなのか判断できない」等という状況にはなりにくいと思っています。
これで言いたかったのは最後に書いてあるとおりで、
「業界的にこうしないといけない」と勝手に決めつけて何も考えずに見よう見まねで発信するんじゃなくて、
自社にとって最適な情報発信の仕方ってなんだろう
相手(この場合は記者)にとって一番最適な伝え方ってなんだろう
という目線で当たり前にしていたことを見直してみるのもありだよね、ということです。
私は新卒で社内に誰も広報経験者がいない中、広報になりました。
そんな私がお手本にしたのはいろんな会社のプレスリリースです。
1日10社のプレスリリースを印刷して内容を分解したりキーワードにチェック入れたりして自分なりに伝わりやすいプレスリリースのフレームを見つけてきました。
(「プレスリリース10本ノック」と呼んでいました)
でも、そうやって真似ているだけじゃ頭ひとつ抜け出ることなんてできないんですよね。
なぜこうしたお作法が一般化されたのかを理解するのは大事ですが、私はそれを踏まえた上でどんどん新しいことにも挑戦していきたいです。
プレスリリースの書き方でポイントにしている細かい日本語のはなし
広報と切っても切り離せないのが「プレスリリース」ですよね。
文字数の制限がない故にダラダラ書いちゃうあるある、ありませんか?
自分では言いたいことを丁寧に説明しているつもり。でも、傍から見たら「なんだよこのクソ長文」ってなって斜め読みされ、結果的に意図しない解釈のされ方をしてしまうリスクもあります。
実はいま月に1回、元経済新聞で顧問をされていた方にビシバシ指導してもらっているところです。
トレーニングしている身だからこそ学びをアウトプットします。
私が最低限気をつけているのはこの4つです。
1文60文字以内
特にやりがちなのが導入文。
「株式会社◯◯は~~~な~~で~~を~~から開始します」
ここだけで5行くらい消費しているプレスリリースを見たこともあります。
サービス名などの固有名詞が長いともう地獄ですよね(笑)
一文が長い文章は読みにくい上に係り受けスパゲティ状態でわけわからなくなります。
声に出して読み上げていて苦しくなったら2文に分けるよう意識すると良いそうです。
1段落2~3文
ひとつの段落で盛りだくさんに書かれていると視覚的にも「うわああ・・・」って引きますよね。
溢れんばかりのその会社愛が、一生懸命書いたその文章が、結果的にスルーされ伝わらなくなります。
ちなみに、ブログなどWebで書くことに慣れてしまったからか
段落のはじめを一文字空けしないプレスリリースが増えているみたいです。
小学校の作文では散々やったのに、いつの間にか忘れてしまうんですね。
(私も以前までやらかしていました)
「~における」は使わない
これがなかなか直らなくてよく注意されています。
「かっこよく聞こえるから使いがちだ」と指摘され、返す言葉もありませんでした(笑)
単純に「~で」に直せばいいんです。
思えば新聞記事で「~における」なんて見たことありません。
余計な装飾するくらいなら1文字でも減らして文章を引き締めろ!!と言われます。。
接続詞を極力省く
「また」「そして」といった順接は特に省くように意識しています。
なくても通じるものは入れない。これに尽きますね。
ただ、「しかし」などの逆説はないと意味が通じなくなるのでこちらはしっかり書いています。
おわりに
これらはリリースには数字を盛り込め!とかタイトルの付け方とかに比べたらちょっとしたことかもしれません。
でもそのちょっとしたことが積み重なっていくものです。
何度も繰り返し読んでいるこちらの本の冒頭に、こんな言葉があります。
良い文章とは完読される文章である
だらだら書いたが故に誤認されるリスクを減らすためにも、無駄のない"完読される"プレスリリースを目指したいものです。
新聞記事の署名あり・なしの違いを記者に聞いたはなし(過去ブログ転載)
先日とある広報さんに「こないだ調べ物をしていたら吉田さんの過去のブログに行き着いて助かった」と言われ、この記事を思い出しました。
2年前に投稿したものですがそのまま転載します。
(その過去ブログ自体は恥ずかしくなって消したw)
なぜ、署名記事と非署名記事があるのか
広報の日課のひとつが新聞チェック。
会社にもよりますが、日経新聞は最低でも皆さん抑えていらっしゃると思います。
学生時代なんて新聞は家でまったりしている時しか読まなかったので、
私は広報になって一週間、新聞研究をしました。
コンビニで売っている主要の新聞(朝刊)を一週間毎日買い、全部の面を読み込むというものです。
この6新聞をチェックしたと思います。
この面は経済面で、こんなニュースが多くて…とメモしている中で気になりだしたのが「署名」です。
ある記事には文末に記者の名前があるのに、またある記事にはない。
【署名記事】と【非署名記事】この差はなんなんだ、と。
で、最近それが解決したのです。(最近なのかよ)
署名記事は「その人が書く」ことに意味がある
署名記事をよく出されている記者さんとお会いした時に、思い切って聞いてみました。
すると、「良い質問ですね!」とこんなことを教えて下さいました。
「署名記事の多くはインタビューや取材を経た記者の見解が含まれています。つまり文責として表記する他、その人にしか書けない、その人が書いた事に意味があるということを示しています。
一方の非署名記事はストレートニュースが多いですよね。じっくり温めて書き上げたもの、というより事実を正確に早くお伝えするための記事なので誰が書いたなんて重要じゃない。だから署名の必要がないんです」
ふむふむ。たしかに。
思えば3社ほどのサービスを揃えて1つの社会現象として紹介する記事や、社長インタビューなどは記者さんのお名前がよく入っていました。
逆に、資金調達情報や新サービス紹介記事は基本署名はありません。
き「だから日経新聞は署名記事が少ないんですね!」
記者さん「そうですそうです。比べると朝日新聞は多いと思います。各紙の論調や特徴が分かれているのもこの署名記事の多さが少なからず影響しています」
き「そういえば、朝日新聞の記者さんは実名でTwitterなどもやってますよね」
記者さん「それでいうと日経新聞の記者は職業を公開してSNSを利用するのは禁止です。各社が記者そのものをどう見せたいかがこういう形で露わになるんです」
署名記事あり・なしは掘り下げていくと新聞の論調だけでなく、各社の記者という存在に対するスタンスにまで行き着きました。
記者の見せ方…これも広報戦略なんだろうなあと思うと、なんだかしみじみとしちゃいました。
おまけ
「新聞記事 署名 あり なし」でググって一番上に出てくるのが過去ブログです(リンク先は消したので404)
新しいブログを作ったはなし
新しくしました。
たかがブログなのに(しかも私はブロガーでもないのに)完璧なものを求められるようになってしまったからです。
もっと気軽に、ゆるふわに情報発信がしたいし、みんなにもしてほしい。
読んでくださる方全員にとってためになることを書く気なんてさらさらありません。
でも、こんな私のTipsでも誰かのためにはなる。
なによりアウトプットすることが自分のためになる。
新卒時代たくさんの人に教わったんだから、学びをアウトプットするのは私からすれば報告書のようなもの。
だから書き続けます。
下記、 個人的に決めたゆるふわにブログを続けるためのルール。
- ブログというよりTips集感覚でやる。広報版Qiita、teratailみたいな。
- イベント・勉強会レポはしない。そこで学んだことを書くだけ。
- 毎度更新のお知らせをSNSでしない(とくにFacebook)。お知らせするのは誰かに協力してもらったときだけ。
- 質より量。そもそも自分でハードルをあげない。
- シェア数とかいいね!数をこっそり目標にしない。
ブログは、インターネットの世界は、自由で楽しくあるべき。